13:00- ミュージカル サウンドオブミュージック@四季劇場[秋]

劇団四季取扱分は早い段階で売り切れていたのですが、前日にプレイガイド戻り分が出たので電話予約。B席6000円。

劇団四季はセリフが聞き取りやすいように母音を強く発音するという特殊な発声方法をとっている事はご存知かもしれませんが、この作品はその傾向が非常に強かったですね。特に子役なんかは一文字一文字区切って発音してるんじゃないかというくらい。

劇団四季は何度も見ている私ですがこれには驚いてしまいました。この作品はファミリー向けという位置付けで、子供に解りやすいよう配慮がなされているのでしょうか。

ミュージカル本編の感想ですが、場面場面の繋がりが弱く、淡々と時間が進行していく感じの舞台ですね。

例えば、子供達は最初マリアに反抗心を持っているのですが、子供達が具体的にマリアに反抗する場面はほとんど出てこず、マリアに心を許すようになる変化のきっかけも弱く、あれ?いつの間にマリアに懐くようになったの?と拍子抜けしてしまいます。

最初マリアを辞めさせようとしていたトラップ大佐がマリアに好意を抱くようになり、結婚までしてしまう、その間の心境の変化も舞台を見ているかぎりでは説得力を持って伝わってきませんね。

映画版を見たのはかなり昔の事で細かな点までは覚えていませんが、ストーリーを楽しむには映画の方がはるかに出来が良いのではないかと思います。

まあ映画は二次的な創作物で劇団四季の舞台の方がオリジナルの舞台に忠実なのでしょうけど。舞台を見たかぎりではこれは名作とは言い難いんじゃないでしょうか。

ミュージカル「森は生きている」のプログラムに出演者が過去に見た舞台で印象に残っている作品を挙げる欄があるのですが、そういう場でサウンドオブミュージックの名が挙げられる事は将来あまり無いのではないか?そう思ってしまいます。(ちなみに、今子役が挙げる印象に残っている舞台の圧倒的多数派はオペラ座の怪人です)

ですが、やはり曲は名曲揃いでいいですね。「my favorite things」はジョンコルトレーンデレクトラックスバンドで取り上げられており、大好きな曲です。劇団四季の訳詞にも期待していたのですが、ドレミの歌だけは「ドはドーナツのド」という有名な訳詞の再利用でした。「you are sixteen going on seventeen」が「今 sixteen もうすぐ seventeen」と直球の訳だったのは違和感あるけど仕方ないか。

ヲタ的な見所はやはり大勢の子役ですね。大の大人が写実的な意味で髪の毛を栗色に染めてて(ウィッグ?)、でも顔は日本人、みたいな嘘臭さが、子供が出てきた瞬間にぱっと明るくなり解消されるのは、子役が出る舞台のみに許される特権ですよね。こういう点って、海外翻訳ものの舞台を沢山見てると麻痺してくるんですが、舞台ヲタでない一般人は意外と気にしてるものなんですよ。アニーが赤毛のもじゃもじゃカツラを被ってなければいいのに…と言ってる知り合いがいました。(まあ実際アニーがあの有名なカツラをかぶるシーンは後半の非常に短い時間のみなのですが)

劇団四季の舞台では個性など誇る余地はあまり有りませんが、子役は皆しっかりした子達で、安心して見れましたね。特にルイーザ役は豪華過ぎる!見た回は木村奏絵でしたが、去年のアニー飯塚萌木は見ておきたいな。当面の目標はルイーザコンプリートですね(笑)石井日菜は可愛かったです。